スノーピークのシェラカップの系譜

(2023/2 Update)

カタログをもとにスノーピークのシェラカップとその仲間(ただしカタログに掲載されている定番商品のみ)の変遷をたどってみる。
息の長いステンのE-103、チタンのE-104は、型番こそ継続しているものの、年代ごとにロゴ(大文字/小文字)、ハンドルの形状(ナロー/ワイド)、目盛り(目盛りなし/シングル目盛り/ダブル目盛り)などの違いがある。カタログ掲載の写真を見ても、ディテールが写っていない、あるいは、試作品なのか存在が確認できないものが写っている、など、なかなか全貌が掴めない。そこがまた、マニアとしては「追い続ける余地」となっている。

発行年不明(1987年以前)ヤマコウ時代のカタログ

・この時点ではシェラカップのラインナップは確認できず

1989年カタログ

・この時点でステンのシェラカップ[E-103]は既に存在
(発売開始年は未確認)

E-103:P.40(ロゴの状態等は確認できず)

E-103(大文字、ナロー、目盛りなし)

さらに古いものもあるのかもしれないが、大文字のロゴ、ハンドルはナロー、目盛りはなしのこのモデルが、これまで確認できた限りでは原点と思われる。
販売されていた期間も長いため、出物も多く、入手は比較的容易。

1990年カタログ

E-103:(この年のカタログは薄い冊子で、ページ番号はないもののE-103の掲載はあり)

1991年カタログ

E-103:P.40(初めて大文字ロゴが確認できる)

1992年カタログ

E-103:P.48

1993年カタログ

E-103:P.39

1994年カタログ

E-103:P.62

1995年カタログ

・チタンシェラカップ[E-104]発売
・ランダーチタンカップ[SMG-001]発売
・ワッパーカップ[SMG-002]発売

E-103:P.68(初めて目盛り付きの記載あり)
E-104:P.18(ナロー目盛りなしの写真あり、ロゴは確認できず→試作品?)
SMG-001:P.8(目盛りなしの写真あり、ロゴは確認できず→試作品?)
SMG-002:P.9(ロゴなし目盛りなしの写真あり→試作品?)

E-103(大文字、ナロー、シングル目盛り)

この頃から目盛り付きに置き換わっていく。

E-104(大文字、ナロー、シングル目盛り)

チタンのE-104が登場。カタログでは目盛りなしの写真が掲載されているが、試作品なのだろうか、実物は見たことがない。

SMG-001(大文字、シングル目盛り)

小ぶりなランダーチタンカップ (初代)も、この年の登場。これも、カタログでは目盛りなしの写真が掲載されているが、実物は未確認。ハンドルは、他のモデルに先駆けてワイド型になっている。

SMG-002(大文字、シングル目盛り※)

ワッパーカップは目盛りの形状が特殊。数字の上に_が付くタイプになっている。(ここでは「シングル目盛り※」と※を付けて区別する。)

1996年カタログ

・パンチドシェラ[E-105]発売
・ワッパーカップ2[SMG-012]発売
・チタンシングルマグNo.1[MG-001]発売
・チタンシングルマグNo.2[MG-002]発売

E-103:P.73
E-104:P.73(ワイド 目盛りなしの写真あり、ロゴは確認できず→試作品?)
※写真は目盛りなしだが、「スノーピークのすべてのシェラカップには、すべてのモデルに分量が分かる目盛り付き」の記載あり
E-105:P.73(サイド文字なしの写真あり→試作品?)
SMG-001:P. 59 (目盛り付き、 ロゴは確認できず )
SMG-002:P. 58(目盛り付き)
SMG-012:P.58(目盛り付き、 ロゴは確認できず )
MG-001:P.73
MG-002:P.73

E-104(小文字、ワイド、シングル目盛り)

ランダーチタンカップに続き、E-104でもワイド型のハンドルが採用。カタログ写真ではロゴが確認できないが、カタログの表紙を見るとこの年から小文字に変わっており、この頃に大文字から小文字への切り替えが進みはじめたと思われる。

E-105(サイド小文字)

パンチドシェラは、カタログではサイドに*snowpeakの刻印がないものが掲載されているが、実物は未確認。

SMG-012(小文字、シングル目盛り※)

ワッパーカップ2は、ハンドルが折りたためるワッパーカップの特徴を継承。目盛りは数字の上に_が付くタイプで、側面も上部のエッジが立っている。

MG-001

チタンシングルマグNo.1は、2009年のカタログ落ちまで、比較的長い期間販売されていたが、カタログではディテールが確認できず、バリエーションが存在するかどうかは未確認。

MG-002

チタンシングルマグNo.2も同様、ちなみに、こちらは少し長く2015年にカタログ落ち。

1997年カタログ

・株式会社ヤマコウから株式会社スノーピークへ
・カップ・イン・チタン[ SCS-003]発売

E-103:P.101(目盛り付き、ワイド 、 ロゴは確認できず )
E-104:P.101(目盛り付き、ワイド 、 ロゴは確認できず )
E-105:P.101
SMG-001:P.27(目盛り付き 、 ロゴは確認できず )
SMG-002:P.24
SMG-012:P.24
SCS-003:P.26
MG-001:P.101
MG-002:P.101

E-103(大文字、ワイド、シングル目盛り)

E-103も1年遅れでハンドルがワイド型に。ただし、これはロゴが大文字のまま。カタログではロゴが確認できないので、どのくらい大文字・ワイドが流通していたのかは確認できず。

E-103(小文字、ワイド、シングル目盛り)

こちらはロゴが小文字になったE-103の現行品。E-104とは異なり、目盛りはいまだにシングル目盛りが貫かれている。

SCS-003(シングル目盛り※、外側に* snow peakの刻印)

正確にはカップ・イン・チタン[SCS-003]に付属するカップと言うべきか。スタッキングが考慮された特殊なハンドル形状が特徴。目盛りはワッパーカップと同じく数字の上に_が付くタイプ。外側の刻印にバリエーションがあり、これについては後述する。

1998年カタログ

E-103:P.119
E-104:P.119
E-105:P.119
SMG-001:P.113
SMG-002:P.112
SMG-012:P.112
SCS-003:P.113
MG-001:P.119
MG-002:P.119

1999年カタログ

E-103:P.101
E-104:P.101
E-105:P.101
SMG-001:P.118
SMG-002:P.118
SMG-012:P.118
SCS-003:P.119
MG-001:P.101
MG-002:P.101

2000年カタログ

・E-105カタログ落ち
・SMG-001カタログ落ち
・SMG-012カタログ落ち

E-103:P.79
E-104:P.79
SMG-002:P.98 (小文字、目盛り付き)
SCS-003:P.96
MG-001:P.79
MG-002:P.79

SMG-002(小文字、シングル目盛り※)

ワッパーカップの小文字ロゴバージョン。おそらくもっと早い時期に大文字から小文字に切り替わったと思われるが、カタログ上で確認できたのはこのタイミング。

2001年カタログ

E-103:P.56
E-104:P.56
SMG-002:P.124
SCS-003:P.123
MG-001:P.56
MG-002:P.56

2002年カタログ

E-103:P.70
E-104:P.70
SMG-002:P.152
SCS-003:P.154
MG-001:P.70
MG-002:P.70

2003年カタログ

E-103:P.150
E-104:P.150
SMG-002:P.174
SCS-003:P.176
MG-001:P.150
MG-002:P.150

2004年カタログ

E-103:P.206
E-104:P.206
SMG-002:P.209
SCS-003:P.210
MG-001:P.205
MG-002:P.205

2005年カタログ

E-103:P.195
E-104:P.195
SMG-002:P.195
SCS-003:P.205
MG-001:P.195
MG-002:P.195

E-104(小文字、ワイド、ダブル目盛り)

カタログ上では時期の確認ができないが、E-104の目盛りはozとmlのダブル表記に移行。ロゴの下に、titanium JAPANの刻印も追加されている。自分が入手したのは、おそらくこの時期なので、2005年に仮置きしておく。

SMG-002(小文字、ダブル目盛り)

ワッパーカップも同様にダブル目盛り、titanium JAPANの刻印つきに移行。

2006年カタログ

E-103:P.171
E-104:P.171
SMG-002:P.171
SCS-003:P.184、P.182(ダブル目盛りに見える写真あり)
MG-001:P.171
MG-002:P.171

SCS-003(ダブル目盛り、外側にtitaniumの刻印(* snow peak、JAPANの刻印なし))

カップ・イン・チタン付属のカップについて、カタログでダブル目盛りが確認できたのは、このタイミング。底面の刻印についてはカタログで確認できないが、これまでに3つのバリエーションを入手。これは titaniumの刻印のみで、* snow peak、JAPANの刻印はないもの。

SCS-003(ダブル目盛り、外側にtitanium JAPANの刻印(* snow peakの刻印なし))

これは titaniumとJAPANの刻印があり、* snow peakの刻印はないもの。

SCS-003(ダブル目盛り、外側に* snow peak titanium JAPANの刻印)

これは * snow peak、titanium、JAPANの刻印が揃ったもの。

2007年カタログ

E-103:P.204
E-104:P.204
SMG-002:P.204
SCS-003:P.227
MG-001:P.204
MG-002:P.204

2008年カタログ

・50th Anniversary

E-103:P.237
E-104:P.237
SMG-002:P.237
SCS-003:P.259
MG-001:P.236
MG-002:P.236

2009年カタログ

・SCS-003カタログ落ち
・MG-001カタログ落ち

E-103:P.273
E-104:P.273
SMG-002:P.273
MG-002:P.272

2010年カタログ

・SMG-002カタログ落ち

E-103:P.247
E-104:P.247
MG-002:P.247

2011年カタログ

E-103:P.275
E-104:P.275
MG-002:P.275

2012年カタログ

E-103:P.263
E-104:P.263
MG-002:P.263

2013年カタログ

E-103:P.255
E-104:P.255
MG-002:P.254

2014年カタログ

CATALOG、PRODUCT CONCEPT、SCENEの三分冊

E-103:CATALOGのP.69
E-104:CATALOGの P.69
MG-002:CATALOGの P.68

2015年カタログ

・(カップマーカー発売)
・MG-002カタログ落ち

E-103:P.197
E-104:P.197

2016年カタログ

E-103:P.205
E-104:P.205

2017年カタログ

・(カップマーカーカタログ落ち)

E-103:P.193
E-104:P.193

2018年カタログ

・60th anniversary
・ランダーチタンカップ[E-115]発売
・シェラマッチカップセット[STW-050T]発売

E-103:P.231、P.269
E-104:P.231、P.269
E-115:P.118、P.231、P.269
STW-050T:P.118、P.231、P.269

E-115(小文字、ワイド、ダブル目盛り)

ランダーチタンカップの二代目。型番も変更されている。

STW-050T

シェラカップとは言えないが、シェラと付くと買ってしまうのが、コレクターの性。。。

2019年カタログ

E-103:P.179、P.212
E-104:P.179、P.212
E-115:P.179、P.213
STW-050T:P.179、P.213

2020年カタログ

・E-115カタログ落ち
・STW-050Tカタログ落ち

E-103:P.163、P.193
E-104:P.163、P.193

2021年カタログ

E-103:P.176、P.207
E-104:P.176、P.207

2022年カタログ

・シェラカップ[E-203]発売
・E-103カタログ落ち

E-104:P.171、P.201
E-203:P.171、P.201

E-203(小文字、ワイド、シングル目盛り)

長いE-103の歴史に終止符が打たれ、後継として新たにE-203の型番が付与された。
しかし、目盛りは引き続きシングル。

2023年カタログ

E-104:P.185、P.217
E-203:P.185、P.217

その他・イレギュラー

ここまで歴代のカタログに沿って、一部推測も含めて定番商品のバリエーションを並べてきたが、どこに位置付ければよいものか悩ましいものもある。それらを以下に掲載する。

E-104A(大文字、ナロー、シングル目盛り)

E-104の大文字、ナロー、シングル目盛りバージョンだが、貼付されているラベルを見るとE-104Aとある。細かく見るとスペック(重量)も少し異なる。小文字、ワイド、シングル目盛りに切り替わった1996年頃に、新バージョンと区別するために末尾にAを付けて販売したのではないかと推測。

E-103(小文字、ワイド、シングル目盛り※)

E-103は、1997年にワイド型のハンドルに移行しているが、これの特徴は、ワッパーカップ型の数字の上に_が付くタイプの目盛り。カタログでは確認できないので、移行期に短期間発売されていたものか、あるいは試作品か。ワッパーカップ2[SMG-012] がこのタイプの目盛りで類似するが、材質がこれはステンである他、上部のエッジが立っていないといった形状の差異もある。

E-103(小文字、ナロー※、シングル目盛り)

ロゴが小文字となった頃には、ハンドルはもうワイドになっていると思っていたところ、*Tohruさんの『スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営』のP.15に、ロゴが小文字なのにハンドルがナローというものの写真が載っているのを見つけ、一人興奮したことを覚えている。その後、この実物に出会った時は、さらに興奮して声を上げてしまった。よく見ると、目盛りの上に「*食事班備品」と番号がレーザーマーキングされていることから、一般には流通していないモデルと思われる。ハンドルもナローとしているものの、返しがついていたり、従来のナロー型とは少し異なる。大切にしているイレギュラーものの一つである。

E-103(小文字、ワイド、シングル目盛り、Ver1.10)

E-103の2022年カタログ落ちまでの最終版。タグを見るとVer1.10とある。スペックに何らかの変更があってのVer1.10なのか、単に取扱説明書がVer1.10なのか、不明。

E-104(小文字、ワイドダブル目盛り、Ver1.10)

E-104の現行品。同じく意味合い不明のVer1.10。

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